2016年12月28日水曜日

Rozini カヴァキーニョ 表板割れ修理 

 ホジーニをお預かりしました。(I様どうもありがとうございました!)
落下させてしまったということで、表板が横板からはずれ、表面板も割れています。
 バインディングも割れ、ライニングからはがれています・・
 表面の割れ・・・ブリッジの前側まで割れています。
 ブリッジのウイングもはがれています。
 まずは、形を崩さないように表板を接着しました。塗装なしですので、目違いなどないように気をつけます。
 ブリッジと、ブリッジの前側の表割れを接着しています。
 こんな感じです。
 残りは後ろ側の割れです。
 割れ接着と、当て木も接着します。
 しっかりクランプして、なるべく段差がなくなるようにします。手も入りませんし、クランプを締めた時に当て木が滑って回転してしまうので、なかなか難しいです・・
 このようになりました。
 鏡に当て木が写っているのがわかるでしょうか。
 角度によってはほとんどわかりません。
 フレット、指板をクリーニングして、サドル接点で異音がありましたので、サドル接点を調整して
完成です!
修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました!

次回は、リーインバッハの修理を予定しております。

朝倉宏泰

2016年12月24日土曜日

ラリビー L-10 左用ギターを右用に変更

 ラリビーL-10をお預かりしました。(Y様どうもありがとうございました。)
 左用ギターです。現行モデルとはインレイも違います。
 修履歴のあるナット・・
 サドルです。右用にするためにサドル溝を一度埋めてから掘りなおします。
 ブリッジに似た色を選びました。これからサドル溝を埋めるものを切り出します。
 サドルの底を少し均してから・・・

 接着しました。その後、出っ張りを削り面一にしてから溝を掘りなおします。
 溝を掘りなおしました!傾斜が付いていないように見えますが、これはブリッジ自体が斜めに付いているためです。

 ナットを取り外し、溝を綺麗にしてから牛骨で右用に交換します。

 交換したサドル・・
ラリビーは、ブレーシングパターンの関係でそれほど左右差を感じませんでした。厚みの違いはある程度ありますが・・
すばらしいギターでした!

修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました。
次回は、カヴァキーニョの割れ修理を予定しております。よろしくお願いいたします。

朝倉宏泰

2016年12月22日木曜日

グレッグスモールマン 割れ、傷、修理

 ギタリストの柴田杏里様より、グレッグスモールマンをお預かりしました。(柴田様どうもありがとうございました。)
 落としてしまったそうで、バインディングに傷が入ってしまっています。
 塗装はなしで、手触りがよくなるように傷を埋める修理をします。
 表面板の割れ3箇所ありました。フレームがあるのでダメージはそれほどなく、ブレーシングの剥がれはありませんでした。表の割れは、表面だけV字に割れているので、接着して上から押さえます。
 過去の修理で、内部に接着剤のたれがそのままにされていたりするところがあり、これがどこかに触れて雑音が出たらいけないので、取り除いて綺麗にします。
 取り除いた接着剤。
 かなりありました・・
 見た目も綺麗になりました。
 割れの接着・・・裏から押して、接着剤を入れて・・乾くまで押さえます。
 接着剤がしみこんだところは色が濃くなりましたが、塗装なしで磨いて完成です。
 こちらは、バインディングの傷があった部分。
 最小限の修理です。手触りもよくなりました。

 あとは、フレット、指板をクリーニングして完成です。

やはりとてもすばらしいギターです。 修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました。

次回は、ラリビーの左用ギターを右用に調整を予定しております!
朝倉宏泰

2016年12月11日日曜日

クライナーバッハ 表板、裏板割れ、ペグ交換 修理

 ギタリストの柴田杏里様より、クライナーバッハの修理をご依頼がありました。どうもありがとうございました!
 まず、ペグが左右で違うものが付いていますので、交換します。
 クライナーバッハのラベル。
 ケースから出した状態で保管されていたようですので、ホコリを取り、塗装を艶出しします。
 裏板を叩くと異音がありましたので内部も綺麗にしてから原因を調べます。
修履歴も多数あり、フレット交換もされているようでした。そのときにフレット際のチップした痕がそのままでしたので、ここも埋めます。
ブレーシングの隙間・・・ここも過去の修理で接着に失敗しています。締めてもぴったり付きません。1度ブレーシングを外してから接着しなおすことも考えましたが、相談の結果、異音がなくなればよいということで、充填することにしました。

 裏板の割れ。ここは接着して裏から当て木しました。
 ボディ下部の割れ。
 裏板下部のわれに当て木したところ。奥ですのでなかなか難しいです。
 手前側。
 今回は塗装なしですので、このような感じになりました。
 下部の割れ。
 ブレーシング隙間の充填したところ。
 ペグはシャーラーに交換します。
 ヘッドも磨いて綺麗にし、ネジ穴をすべて埋めて交換しました。
 フレット際のチップ痕・・
 埋めてから指板共々磨きました。
 表板の端に割れがありましたので、それも接着して完成です!
クライナーバッハ、とてもドライで切れ味が鋭いギターでした。修理のご依頼をいただき誠にありがとうございました!!  

次回はグレッグスモールマンの修理を予定しております。


朝倉宏泰